第一章 通学路

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汽車に降りたあと僕達は、ジャンが腹痛を起こして男子トイレに向かった。 「ねぇ、ジャンまだ? 」 結構な大声で個室に入っているジャンに向けて叫ぶ。もうみんな目的地に向かっているんだ。こんなところで、道草食ってる場合じゃないのに。 汽車から降りた時、ありえないほどの人数がこの駅におりていた。しかも、ジャンによるとこの駅に降りる人は全員受験生らしく、一般人はここには降りられない仕組み出そうだ。 「オッケー、もう万全だ」 「もう、遅いよ! 僕達完全に出遅れてるよ!」 「なーに、心配ない! あと三日もあるんだ、五分や十分の遅れは対して問題じゃない」 「そうだけど」 「ほらほら、さっさと行くぞ」 そう言ってジャンは急に走り出した。僕も釣られて一緒に走り出す。 僕達は走りながら、駅を抜けて広場に出た。 僕達は広場に目をやるとその光景に唖然として足を止めた。
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