第一章 通学路

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「なんだこれは」 とジャンは肩を震わしながらそう呟いた。 広場には六十人程の受験生が倒れていて、辺り一面が血の海になっている。 僕はすぐ近くに倒れている少女に駆け寄った。 「大丈夫ですか?」 そう言って僕は少女のかたをゆする。反応がないみたいだ。しかし、息をしていることから死んではいない。 少女はお腹の辺りを大きく切られたような傷があり、大量に出血している。 「おい、ライトここは危険だ。早く離れよう!」 「ちょっと待って、ここの人たちを見捨てていけない。ジャンは魔法を見たことがないんだよね。なら今から僕の魔法を見してあげるよ」 回復魔法でここの人たちの傷を塞ぐ。どうやらみんな傷は刀傷のようで、治すのにそれほど時間はかからなそうだ。 「はぁぁぁ!」 僕は魔力を解放した。すると広場全体を覆う魔方陣が形成された。 「初級広範囲回復魔法 ピュア!」 魔方陣は白い光を発し、徐々にみんなの傷口を塞いでいく。それからしばらく経つとみんなの傷口は完全に塞がっていた。
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