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そう言ってジャンは僕をおろした。もうすでに辺りは夕方。今日はこの森で野宿をするつもりだろう。
「ここで野宿だな! 食料はリュックにあるし。そういやライトの荷物はどこにあるんだ?」
木の下を指差して、ジャンはそう言った。
「魔法で、別空間にあるよ」
「え、ええええ!」
心底驚いた様子であるジャンを尻目に、小さな魔方陣を展開させ食料を取り出した。
「ほら、でもこれは魔法使いの基本だよ?」
「すごいな、魔法……。俺にも魔法はできるのか?」
「わかんない、魔法は素質だからね。魔法の素質がない人が無理に魔法を使ってしまうと色々耐えきれなくて死んじゃうんだよ」
「こ、怖いな魔法」
「でも、調べる方法があるから、学校についたら教えてあげるよ」
「おう、さんきゅう!」
「じゃあ、ここに結界魔法を張るね」
「そんなこともできんのかよ」
「結界魔法しないと寝ようとしてたの? 魔物や殺気を放ってる奴に見つかったら死んじゃうよ」
「その辺は大丈夫なんだけど、もうおどろかねぇー」
そんなジャンを尻目に僕は三メートルほどの立方体の結界を貼った。
そのあと、僕達は晩飯を食べて、雑談をしながら寝袋に包まれて、安眠した。
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