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巨空
構造という愛に、命は宿る。
尊さはその限りの中にこそ。
唯一の景色とその音色。
そして、手の届かない与奪。
何が俺たちを満たすのだろう。
どれだけの存在がこの世界には・・・
僅かな恩恵でここに立ち、
そして、手を伸ばす。
視界に映る小さな世界に。
飛び交う鳥に近づけば、逃げていく。
もう、そこでは言葉など意味をなさない。
どんな旗の下でも、どんな思想の中でも、
理解しきれない程の情報が俺たちを形作る。
確率はなく情報が、決められた運命のように。
まるで見えない場所だからこそ、巨空よ。
いつか全てを常に知るときが来て、
何もかもを自由に出来たとしたら、
人は、心はそこにあるのだろうか。
今の文明の名残など一欠けらも。
飛び立つ鳥の行き先さえ、分かっている。
もう、そこには恐れなど一欠けらも無い。
固定化された言葉が、終わらない人生が、
想像も出来ない世界がそこには広がっているのだろう。
確率はなく情報が、決められた規則のように。
だけど、今は。
笑い合う世界を夢見れば、逃げていく。
もう、ここには理想など意味をもたない。
どんな人種に生まれ、どんな教育の後も、
知る限りの情報で俺たちは思想を形作る。
真実か虚偽なのか、知る由も無いままに。
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