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流れ
俺は生き、
そして、死を迎えるだろう。
これまでと同じように。
どんな形であれ、
価値は尽きる。
意識というものは。
苦痛の向こう側、
比較、競合の末、
手を握り合えた、
幸福と快楽、
その先には。
祖の名を敬い。
子の名を愛し。
そんな大きな世界に、
俺は生まれたはずだろ。
この手では何も掴めない様な大きな世界に。
命は流れ、
価値を変える。
激しくも静かな別れに、
涙でも言葉でも足りない。
その呼び名を胸に刻み、残された鼓動と生きる。
命は流れ、
意味を変える。
今ここにいる自分さえも、
感情や歳月に流れていく。
無尽蔵とも思える選択の中から「唯一」の自分を。
只、その選択さえも唯一つの流れそのもの。
そして、唯一の結果となる。
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