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次女は目が覚めてしまったようだ。諦めて布団の上に座らせた。母に電話をかける。きっと頼んでおいた家政婦の件だ。日中何度か着信が入ってた。明らかに疲れ果てた私の声を聞いて電話越しに母が同様しているのが伝わった。いっそ母に聞いてもらいたい。そう思った。家政婦は調べたけど見つからなかったそうだ。落胆する私に母が言う。「26日に旦那さん帰ってくるんでしょ?」
「28にね。二日延びた」声のトーンが上がらない。私の返事を聞いて母が笑う。声がわずかに震えている。なのに母は言った。「後少しでしょ!良かったしょ後少しで」
何故か私の心に絶望感が広がった。母に聞いてもらいたい。そんな気持ちが暗闇へと消えて言った。
電話を切る。長男が抱っこをせがんできた。もう何の感情も沸かなかった。
長男を膝の上に乗せしばらく止まっていた。長女が空元気を振り撒いていた。次女があどけなく私を見て笑った。目に涙が滲む。
私はその後何を話しただろう。確か息子に「甘えたいだけなら何も変わらない」「変わりたいならママは手伝える」「ママは神様じゃない。限界がある。」そんな話しをした気がする。
更に息子に聞いた。息子自身はどっちだと思うのか。息子は変わりたいと言った。でもその表情から嘘だと感じた。何度か聞き直すと甘えたいだけだと言った。表情から威嚇的なものが薄れていった。
私は息子に頼んだ。「甘えたいだけなら甘えられる時だけにして。ママを独り占めするのはやむて。三人いるのに独り占めしたらほかの二人は?二人の寂しい気持ちはどこに向かえばいいの?」
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