3.乖離(かいり)

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そう思って、深くため息をついた―――それが油断であった。 ウィィィィィィン、と。 「ん、なんだ――……ッ!」 甲高い機械音とともに、生物兵器が現れる。 僕に向かって一直線に、飛び込んでくる。 とっさに動くこともできず、僕は壁に向かって蹴り飛ばされた。 「がはッ!」 叩きつけられた体中に、激痛が走る。痛みで意識が飛びそうだった。 危機を乗り越えたばかりだったのに、 まさかこんな追い討ちがあるなんて……。 薄く目を開けると、生物兵器が迫ってくるのがはっきりと見えた。 この間の出来損ないとは違う、新品同様の人型の生物兵器だ。 (・・・・・・なんだあれ?) 腕や足の関節の部分に、肉のようなものが見える。 だが、それが何なのかは分からない。 無駄な思考が働く刹那、金属同士が激しく擦れ合う様な甲高い音を鳴らし、生物兵器が再び蹴りを放つのが視界に飛び込む。 それをなんとか、身体を投げ出すようにしてかわした。 大振りな蹴りは、そのまま振り抜かれて遺跡の壁を破壊する。
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