4.朝凪

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静かになった部屋で一人、僕は天井を見上げた。 「…………嫌われちゃった、か」 ああいうふうに、怒鳴られることには慣れていた。   少し前まで、街を歩けばいつだってそういうことだらけだったからだ。 ……けど、いつもの怒声とは、なにかが違うような気がしたけれど、それは気のせいなのだろうか。 「……………………」 まあ、いいか。 一度目を閉じてみる。 真っ暗な視界。それはあの夢の世界と、良く似ていた。 「忘れるな―――、―――に負の代償を、我が求むは――――、」 まるで意味が分からない。 どうしたものかと、少し悩んだ。 そうこうする内に、部屋の外から足音が幾つか聞こえてくる。 僕が上体を起こすのと同時にドアが開いて、エリスと国王が二人ほどの兵士を伴って部屋に入ってきた。 「調子はどうだね?」 「はい。問題はありません」 「そうか……」 と国王はイスには座らずに、僕を見下ろすようにして立っていた。 エリスはその後ろで、黙りこくっている。
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