4.朝凪

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翌日、用意された個室で朝を向かえ、身支度をしていると、軽くドアをノックされた。 「はーい」 昨日言われた、『人材』の者だろう。 そう思ってドアを開けると、意外な事に、そこに立っていたのは国王だった。 「おはよう」 「お、おはようございます」 国王は固い表情ながらも、昨日よりは砕けた雰囲気になっていた。 少々たじろぎながら聞く。 「えーっと、どうしてこちらへ?」 「昨日言っていた修行に連れて行くためだ。準備はできているかね?」 「はい……準備は大丈夫です」 もともと、準備も何もない。 精々服を着替えていれば、僕にとっては充分だった。 「ですが、まさか国王が迎えに来られるとは思いませんでした」   「はは、朝は私もヒマなのだよ。公務なんかは、おおよそ昼からと決められているのでな」 そんなふうに話しながら、王宮の廊下を歩く。
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