エピソードⅠ …変化

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あたしは記憶の中の人に会えたことに驚きすぎて、世野原先生があたしに質問している事さえ気付けずにいた。すると、先生はやっぱりあたしがケガをしてたんじゃないかと思ったらしく、いきなり何回も揺すってくる。 ビックリしたあたしは、「うげっ!?」なんて女子高生にあるまじき声を上げてしまった。 先生はあたしにケガがない事に安心したのか、あたしにもう一度さっきと同じ質問をしてきた。 「名前を教えてくれるか?」 それに、あたしは無意識に答えていた。 「あ、あたしは星斑千歳です。」 あたしが名前を教えると、先生は凄く嬉しそうな顔をして言った。 「俺は、全校生徒の顔と名前とかを覚えるのが好きなんだ。俺からしたら、生徒はみんな友達みたいなもんだからな!」 きっと世野原先生はすごくいい先生なんだな… この時は、いくら前世の旦那さんでもこのくらいにしか思わなかった。
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