5.明日を知らない~Tomorrow never knous~

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紗弥加の中には、英二にはもちろん、その両親にも言えなかったシコリがあった。 それがユウジとのある一夜の出来事である。 「実は僕も、あの日の事がひっかかってた。英二ってほら、妙に鋭い時とかあるでしょ?」 「そうだね、なんか英二にはうまく隠し事とかできなかったかもしれない。でも、ユウジ君とのことは、それだけは一言も言ってないよ。あれはあたしの過ち。二人の関係を歪にしちゃった。英二にもユウジ君にも、ひどい事をしたと思ってる。」 紗弥加の肩は小さく震えて、その顔は徐々に下へと下がっていく。 「紗弥加ちゃん。」 紗弥加の隣に腰を下ろし、ユウジはその震える肩に腕を回そうとした。 が、その動きは止まり、伸ばしかけた腕はまたゆっくりと元の位置へと戻っていった。
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