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「恭祐!」
会社の同僚達と飲みに行こうという事になった金曜の仕事帰りに、突然どこからか自分の名前を呼ばれた。
先を歩いていた同僚達も気付いてオレを振り返る。
「恭祐!」
もう一度名前を呼ばれる。
今度は先程より声が近い。
そして…オレを呼んだその声には聞き覚えがある。
声の主を捜して振り返ったその時、ドスン、と胸に衝撃が走る。
「おわぁっ!」
突然の事にバランスを崩しそうになり、なんとか堪える。
そして、自分の胸に飛び込んできたものの正体を確かめるべく視線を落とす。
そこにあったのは緩いウェーブのかかった栗色の長い髪。
――あぁ、やっぱり。
思わず顔がほころびそうになった。
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