シーン・1

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栗色の頭に、自然に手がのびる。 そっとその頭を撫でながら、その人の名前を呼ぶ。 「望さん。」 名前の主は顔を上げようとはしない。 「どした?何かあった?」 尚も頭を撫でながら尋ねた時、 「あぁーっ!」 歓声の様な声があがった。 「もしかして噂の望さん!?」 一緒にいた同僚の一人、田口のその言葉に他の同僚と望さんが反応した。 顔を上げた望さんと、瞳が合う。 オレはにっこり微笑むと、「ちょっとだけ黙っててね。」そう告げて、望さんの顔を胸に埋めさせた。 望さんが顔を上げないようにさりげなく後頭部を手で押さえる。 .
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