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栗色の頭に、自然に手がのびる。
そっとその頭を撫でながら、その人の名前を呼ぶ。
「望さん。」
名前の主は顔を上げようとはしない。
「どした?何かあった?」
尚も頭を撫でながら尋ねた時、
「あぁーっ!」
歓声の様な声があがった。
「もしかして噂の望さん!?」
一緒にいた同僚の一人、田口のその言葉に他の同僚と望さんが反応した。
顔を上げた望さんと、瞳が合う。
オレはにっこり微笑むと、「ちょっとだけ黙っててね。」そう告げて、望さんの顔を胸に埋めさせた。
望さんが顔を上げないようにさりげなく後頭部を手で押さえる。
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