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「ごめん、あたしが突然だったから。だから、行ってきて?」
望さんの言葉に、少し悲しくなる。
――この人は何にも分かっちゃいない。
「何いってんの?オレの最優先は常にあなただから。」
言いながら、望さんの頭に手を置く。
それを見ながら田口が喚く。
「ぐわぁ、恭祐が甘い!甘過ぎる!胸焼けする!」
「なら早く行けよ。」
望さんの頭に乗せた手と反対の方の手でしっしと追い払う仕草をする。
「仕方ねぇな。この次はお前に奢らせるからな。覚悟しとけ。」
じゃあなと右手を軽く上げて、田口が皆を連れて歩き出そうとした時、
「あ、あのっ、すみませんでした。」
望さんが皆に頭を下げた。
「あー、気にしないで望さん。恭祐とごゆっくり。」
田口の隣にいた加藤が望さんに笑いかける。
「あたし達望さんにお会い出来てラッキーでした。滅多に見れないベタ甘秋月君も見れたし。」
「ねー。」
女性陣が盛り上がりだす。
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