シーン・1

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その日はちょうど望さんの30歳の誕生日だった。 オレが社会人になってからのここ数年、望さんの誕生日には必ず二人でお祝いをしてきた。 それは 望さんに恋人がいたとしてもだった。 今年は3ヶ月前に望さんは恋人と別れていた。 だからオレと誕生日を祝ったとしても何にも問題なんかなかったけど、そうじゃない、恋人のいる年でも誕生日はオレと過ごしていた。 オレとしては長年想い続けている望さんとオレを繋いでおくための一つの手段として。 望さんとしては… たぶん、今までオレにしてきてくれた事に対してのオレからのお礼の気持ちを受け取ってる位の気持ちだったんだろうと思う。 .
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