シーン・1

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オレが14歳の時、お袋が亡くなった。 病気で、気が付いた時には手遅れで、呆気なく逝ってしまった。 それから、長距離トラックの運転手をしている親父との二人暮らしが始まった。 仕事柄、親父は夜も家を空けることが多かった。 中学生のオレが一人で留守番するのを心配してない訳じゃなかったけど、転職先なんて簡単には見つからない。 仕方なかったんだと思う。 当時のオレもそれくらいは理解出来ていて、親父に不満を言ったりなんて事はなかった。 それに、オレを家族みたいに思って何かと面倒をみてくれる人達がいた。 それが望さんの家族だった。 .
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