公彦

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 その日は授業をしていても、子供達の顔を疑いの目で見ていた。  この中に、あんな事をした子供がいるんだと思うと、無性に寂しさを感じた。  休み時間毎に、職員室の自分の机に向って 『頼む。正直に話をしに来てくれ』  と願いながら待っていた。  授業が終わり、放課後になっても同じ思いで二〇時迄待った。  しかし、誰も来なかった。
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