学級会

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 その順子が今朝、職員室にいた担任の五十嵐先生を訪ねて来た。 「今日の四時間目の学級会の議題って、もう決まっているんですか?」    先生は内心『えっ突然に?』と思ったが、冷静を装って 「十一月の遠足の時のグループや係を決めようと思っているけど、どうしたんだい?」    順子に逆に尋ねた。 「私、みんなで話し合いたい議題があるんですけど……」    小声だったが、順子の目は五十嵐先生の目をじっと見つめていた。何かを覚悟している様な目だった。順子のその目に、先生は『何かあるな』と感じた。 「言ってごらん」    先生は優しい口調で、もう一度尋ねた。    順子は胸のポケットから四つ折りに畳んだメモ紙を取り出した。その紙を両手で持って頭を下げながら先生の顔の前に突き出した。 「これです。おねがいします」    先生が受け取ると、もう一度おじぎをして足早に職員室を出て行った。  先生が、そっとメモ紙を開くと赤いボールペンで、こう書かれていた。 『いじめを無くす為には』と。
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