0人が本棚に入れています
本棚に追加
本日天気晴朗なれど雲高し。
いや、超暑いのわけだが・・・。
7月もいい感じで深まった今日この頃、俺は幼馴染茜澤七色の自宅の前で待たされていた。
額を伝う汗。それが目に入って痛い。
奴の家に着いたのは今から30分ほど前。
携帯に奴から『今すぐうちに来て』とメールがあったのだ。
朝5時半ごろの話であるが。
「遅い・・・いつまで待たせやがる・・・」
汗が地面に落ちる。
こんなことならタオルでも持ってくればよかった・・・。
そして、奴の家の扉がようやく開いたのは、奴の家に到着してから軽く50分ほどたったころだった・・・。
「来るの遅い」
なんだと!このくそ暑い中ひたすら外で待ってた人間にねぎらいの言葉ひとつもないのかこいつは!?
まぁ昔からこうなのだが・・・。
「悪かったな・・・これでも急いだほうだ」
「あっそう。なら許してあげる」
なんでこいつはいちいち上から目線なんだろう・・・。
とりあえず七色の自宅に入り、やつの部屋に入る。
「で、何の用だよいったい」
一応貸してくれたタオルで顔を拭きながら聞いてみる。
「これを見ろ」
そういいパソコンの画面を指差す。
画面に映っていたのは、店舗限定販売初回限定プレミアム特装版魔法少女きらりのDVDだった。
やたら長い。そんな限定を歌わなくてもいいのではないのだろうか。
でもって、「魔法少女きらり」とは広い年代の人間に人気の魔法少女アニメである。ちなみに日曜の朝にやっている。
「で?」
「で?じゃない。よく見ろ」
何をよく見ろというのだ・・・。
奴が指差す部分をよく見てみる。
『店舗限定販売』そう書かれている。
なるほど・・・。
こいつはひきこもりなので外には出ない。よって店舗限定版は買えない。
「で?」
俺の言葉にこちらをにらんでくる七色。
いったいなんだろうね。
最初のコメントを投稿しよう!