魔法使い

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 同時刻 「魔法使い、めーっけた🎵」 学校から10キロ離れたビル群。その中のホテルの一室。チャラさ全開のロック男が、双眼鏡片手に学校の方をみていた。彼が手にする双眼鏡は魔具である。  「いやあ…案外簡単にめっけてもうたわ。あかん…笑いが飛び出しそうやわ…」 彼は魔法使い専門の殺し屋。関西弁が胡散臭さに拍車をかける。  「素人くさいなあ…あないなちびっこ始末せなあかんやなんて…ほんま、けったいやわ」 そう言いながらも、表情はにやけている。彼は死に対して、常人には理解の及ばぬ感性を持っていた。  「どないな殺し方にしたろか…今から楽しみ楽しみすぎて、きっついわあ」 笑う。静かに。恍惚に。快活に。嬉々として。 その時、彼の電話が鳴った。  「おんや、依頼主や。はいはいもしもし、俺や」 暫くし、彼は「にたあ」と、不気味な表情を浮かべた。そして、  「了解…俺もそないなやり方が大好きや。俺とあんた…案外気があうんかもしれまへんなあ」 そう言えば電話を切る。今、彼から見える景色は、歪ながらも美しい。そんな、異端にのみ理解しえる悪徳の景観であった。決して彼は、満たされる事はない。  「すぐに壊れんといてや…佐藤くん」 佐藤時雨。それが、彼の狙う…新たな標的の名であった。
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