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「大丈夫…?」
「な、ナイスバッティングや……姫さん」
頭の周りにお星様見えとるけど大丈夫。
木刀みたいな、鉄というか金属というか、詳しくはさっぱり分からない棒状の物で殴られたけど、大丈夫。
生きてりゃオッケーや。
床とこんにちはしてる俺を見て睦月奏太とか言う男は不安そうだ。
こんな日常1週間もすれば慣れるやろ。
あと姫さんに冗談は通じないということもやな。
すくっと立ち上がると睦月はビクリと震えた。
恐る恐る俺の顔を覗き込んでくる。
めちゃくちゃ不安そうな目だ。
こんな優しさに触れたことのない俺は戸惑いを隠せない、かもしれんがあえて戸惑いを隠し相手に悟られへんように、
「ごめん」
「え?」
俺が一人で脳内会議を開いていると睦月は謝った。
え、なに?何で謝ったんこの子?
呆気にとられているともっかい「ごめん」と言う。
俺は今、今世紀最高に阿呆な面をしとるやろう。
「え、なに謝ってん?」
「俺が此処に来たから、えっと……君が殴られただろ?」
「ちゃうちゃう、気にすんなや。あと俺の名前は文月琥珀(フミヅキ コハク)やで」
「分かった、よろしくな琥珀。……あ、もしかして俺より琥珀のが年上?」
「そないにかしこまんなくてえぇよ、それに皆敬語は嫌いやねん。フレンドリーフレンドリー!」
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