3/5
前へ
/88ページ
次へ
「姫さん姫さん、新しく来る奴ここ所属らしいで」 「……そう」 だから何だという目で琥珀を見ると、「睨んじゃイヤや」と気持ち悪い返答をもらった。 睨んだつもりはないけども、私の目付きは悪いので、ほとんどの人間は睨まれたと思うのだろう。 どうでも良いけど。 「せやから姫さん呼ばれとるで」 「……はぁ、あんたその似非関西弁やめたら?苦情くるわよ」 「似非ちゃう!これ俺のアイデンティティー!」 きゃんきゃんと犬のように後ろで吠えている琥珀を無視し、私は部屋を出た。 さっさと行かないとめんどくさそうだし。 「遅い」 「……」 「チッ、謝罪とか出来ねぇのかクソガキが」 「……殺すわよ?」 「…………。今日からこの地獄に所属する、あー…睦月奏太だ」 私は指図されるのが何より嫌い。 特に脳無しの大人からの命令とか聞く必要は無いと思っている。 ……政府の犬が。 私が怖くて怖くて仕方ないくせにね。 出来ることなら今すぐにでも射殺したいくらいなんでしょうね。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加