95人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
転入生は、今から3ヶ月前にこの学校にやって来たのだが…
季節外れの転入生だったから、ちょっと学校の間で話題になった。
来る前はどんな奴が来るのだろう?
可愛いのか、格好良いのか、等色々と学校の皆は楽しみにしていた。
俺のいる学校は全寮制でゲイが多い学校だからってのもあるけど、ノーマルの奴も外からの奴が来るから色々話を聞くのを本当に楽しみにしていた。
だが…。
「おいっ!!光夜!聞いてるのか!」
来たのが、これだから皆ガッカリだった。
顔は可愛いらしいのだが、性格がキツかった。
良く言えば無邪気なのかもしれないが、俺には自己中としか思えなかった。
この学校の寮は2人一部屋なのだが、運悪く俺はこいつと同室になってしまった。
それからは最悪だった。
こいつは何人かの顔の良い奴等と仲良くなり、寮で毎晩騒ぎまくった。
一応、寝る部屋は別にはなっているがデカい声で騒ぐもんだから煩くて毎晩眠れない。
それにそこの騒ぎに俺にも参加しろなんて言うから、本当に最悪だ。
勉強をしなきゃいけないと言っても「子供は遊ぶのが仕事だ!」、読みたい本があるんだと言えば「本なんて後でも良いだろ!」、体調が悪いと言えば「甘えるな!」
本当に勘弁してほしい。
「光夜!食堂に行くぞ!」
「ごめん、本当に今日は勘弁してくれ…体調が悪いんだ」
「光夜はご飯を食べないから体調が悪くなるんだ!行くぞ!!」
あぁ…もう無理だ。
キレそう。
悪い奴ではないと思う。
でも、自己中過ぎるんだ!
俺は我慢の限界だ、そう思って手を振り上げた。
「転入生!」
その時、教室の入り口から転入生が呼ばれた。
最初のコメントを投稿しよう!