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校舎を出ると、何人かの生徒が待ち受けてた。
「先輩! もう一度考え直してくれませんか?」
「試合の時だけでも助っ人として……」
「ちょっと。それならうちと兼任でもいけるわよね」
……いつもいつも、飽きない人たちね。
もう分かったと思うけど、各運動クラブの責任者たちよ。
それも弱小クラブの面々ね。
ちなみに彼女らの目当てはリンの身体能力。
もちろん前世とは比べれるはずもないけど、それでも一応神の魂を宿した身体なわけ。
多分本気で取り組めば、あらゆる世界記録を塗り替えれる。
ま、そんな気は毛頭ないけどね。
だからどっかのアニメキャラみたく、力を抑えるように気をつけてる。
ただ、私と違ってリンはそれがちょっと苦手なのよ。技術的にってより、適当な性格がゆえにね。
「……こういうのが面倒だから力は抑えようって約束したのに……」
ふと漏れた呟きに、隠しきれない苛立ちが含まれてた。
ただひとりそれを聞いたリンがいつもより1ミリだけ深刻な微苦笑を浮かべる。
「あなたたち、ちょっといい?」
「あ、副会長……」
「あはは……なんでしょう?」
別に威圧的に話しかけたわけじゃないけと、少~し彼女らの顔が不自然な笑顔になる。
「いえ、リンを誘うのはいいんだけどね、それで実績上がっても予算は増えないから覚えといてね」
「え~~~~」
「そんな~~」
不満の声を無視して背を向けた……。
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