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望まぬ戦い……
一番傷つけたくない相手……
自らの生命を捨ててもいいほど愛しい存在……
だがそれでも、ふたりは神であった。
各陣営の象徴と云うべき存在だった。
ことここに至って、逃げる道は選べない。
手を抜いた戦いを見せるわけにもいかぬ。
ただ全力で、最愛の相手と刃を交えることしかできなかった……。
本当に交わしたかったのは剣ではない。
もっと心を交わし合いたかった……。
飛び散る血の熱さよりも、肌の温もりを感じていたかった……。
千日千夜に及ぶ戦いの末……、
ライリーンの槍がルーミスの胸を貫き、ルーミスの剣がライリーンの喉を刺し貫いた。
同時に主神を失った天地両陣営は、すぐに後継者を見いだすこともできず、分裂した……。
ライリーンとルーミスがいくら望んでも得られなかった、戦いの終わりは、こうして訪れた……。
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