序章

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「まったく、由紀もマユもよそよそしいなー  せっかく同じクラスになったんだからもっと仲良くしようよ~」 由紀が、大げさに言う。 「いやいや、初めて話すんだしさ」 私がそういうと、 「由紀さんは、誰とでもすぐ打ち解けて凄いですね  では、由紀さんも私の下の名前で呼んでください、私もそうしますから」 ニコッと笑うと、一層大人っぽく見える。 「じゃあ、万友子ちゃん改めてよろしくね」 「はい、よろしくお願いします」 「あーもう、いつまで挨拶してるのさー  そういえば、今日のコンサート、マユも一緒に来てくれるんだって」 満面の笑みを浮かべて由紀はしゃべる。 「万友子ちゃん、マーチングに興味あるの?」 私が訪ねると、 「今日、マーチングバンドというものを知って、あまりにも由紀さんが楽しそうに話されるので気になってしまいまして」 「そっか、じゃあお互い初マーチングだね」 会話をするうちにマーチングがどんなものなのかドンドン気になっていく。
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