愛花

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愛花は駅前通りで男と向き合っていた。 三年も付き合っていた恋人。 ちらちらと話にでていた結婚。 でも、今のその2人に甘さはない。 「ちよっと待ってて」 長い沈黙のあと、彼女は花屋にはいり、一輪の赤い薔薇の蕾を買ってきた。 男が、理解できない、とでも言うように眉を寄せる。 「もう、戻れないって…… そういうことなんだよね?」 「ああ。 結婚の話はなかった事にして欲しい」
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