愛花

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お昼休みは、学食にしようかと歩きだしたところをつかまった。 そんなに中がいいわけてもないんだけどな。 「や、やだ!」 「お願いだよー 急に一人これなくなって……」 愛花は合コンが嫌いだ。 参加した事がないわけではないが、あのノリも嫌だし、無理矢理出会いを作り出すというのがどうも好きじゃない。 「他にもっといい子いるじゃない。こんな地味なのにしないで、もっと華のある人にしなよ」 「だめなの。今回は友達と好きな人をくっつけるためだから、合コンキラーじゃだめなのよ」 思わず、グッと喉をつまらせ、迷い始めるもイヤイヤと首をふる。 「とにかく、私は嫌」 「せっかくセットしたのにダメになったら、あの子落ちこむだろうなあ」 「え……」 「やっと、掴めた出会いを運命的だって喜んでるのに……」 「え、運命……?」 運命とまでいわれるとちょっとかんがえてしまう。 つい最近、手痛い失恋をしたばかりで、本当なら人の恋愛どころではないのだが…… ここぞとばかりに詰め寄って来る友人に、何時の間にか、集合場所のメモを渡されてしまった。 もう…… なんでこうなるかなあ ブツブツいいながら、頭には芹香の呆れた顔が浮かぶのだった。
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