chapter Ⅲ

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「無粋な奴だ。邪魔なのがわからんのか。シャルロットから離れろ」 シャルロットを両手で抱きしめたまま、ジュリアスが不遜な表情でじろりとアスレイを睨む。 「邪魔なのは貴方の方ですよ、ジュリアス。姫さまとふたりきりにしてください」 澄ました顔で、アスレイが言い返す。 ジュリアスの毒舌にも、だいぶ慣れてきたようだ。 だが、エメラルドグリーンの瞳は挑発的にきらめき、鋭くジュリアスを射すくめている。 「貴様とはいつか決着を着けねばならんようだな」 ジュリアスの眼差しも、険しさを帯びてくる。 「望むところです」 棘を孕んだ眼差しを、アスレイも真っ向から受けとめた。 バチバチッと、ふたりの間に火花が散った。 ジュリアスとアスレイにはさまれて、甘やかな羞恥に頬を染め、シャルロットは胸に吹き荒れるときめきの嵐に翻弄されて、石像のように立ち尽くしていた。 そんなシャルロットを、王女がおかしそうにクスクス笑ってみつめていた。
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