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「ああ、それと貴方に言わなくてはいけない事がーー」
「おい!まだ話す事があるのか!」
思い出したように会話を続けようとした副会長に、怒声を上げたのは何故か会長。
「はぁ?なんですか会長……ああ、一応言っときますけど、生徒会が大事という点において、彼は除外対象なので」
「っ、ええい!口の減らん奴め!!つまらん話は止めて、さっさと平凡を寄越せ!」
会長、話聞いてたのか。でもそれってつまり盗み聞……
グイッと肩を掴まれ、会長と向かい合わせの状態となる。
おお……このムカつく程のイケメンフェイス。久しぶりに近くで見た気がする。
カラコンと思わしき赤い目がジッと俺を映す。男に見つめられても嬉しくないんだが……。
そして会長はフッと笑い、顎に手を当てる。そして真剣な顔をしてからの一言。
「平凡に話す事なんぞ、特になかったわ」
静まり返る車内。唖然とする一同。未知数が高すぎる会長。
時間をおいて副会長が「バカだ。バカがここにいる……」と呟き、会計が「ひぇー」と身を引いた。
皆恐れをなしている。こんな空気の中、じゃあなんで寄越せとか言っちゃったの?なんて聞けない。成る程、天下の生徒会長を自称するだけはあると思う。
どう考えてもすこぶる空気はよろしくないのに、平然とグラスの中にあるものを飲み干すこの男の心境が計り知れない。
「……ん、空になったな。おい平凡、お酌しろ」
てめーは酒飲んでんのか
「そうだな……ではそこのアップルジュースをおかわりで」
ガキンチョは自分でお入れください。
……っこの人、想像以上にランクが高すぎる。
打ち震える俺を哀れに思ったのか、誰よりも我に帰るのが速かった会計がそっと言う。
「かいちょーの言う事、間に受けなくていいよぉ?ほら、この人考え方が凡人とは違うからさぁ」
「ただ不憫な人だと思ってた……」
「おい貴様ら、それはどういう意味だ」
ガッと会計の頭を掴んで、俺たちを睨みつける。
「いたたたた!んもー、褒め言葉だってぇ。ーーそれよりさぁ、蓮くん!ケー番教えてくんなぁい?」
「「断る」」
「なんで亮ちゃんまで言うのさー」
俺とハモり、ブーたれる会計を引っ張った亮。
「……以前、兄貴には手を出すなと言わなかったか?」
「んー?忘れちゃった☆
まぁいいじゃん。これからお近付きのしるしってことでぇ」
黒いオーラを出す亮をものともせず笑う。
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