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「それじゃあ、これは何か説明して貰おうか?」
そう言って、土方さんは私のバッグを放り投げてきた。
「私の鞄ですね。これが、何か?」
「惚けてやがって。中身を見たが、サッパリ分からねぇ物ばかりなんだよ。」
「あぁ…」
そりゃあ、分かる訳ないわよね…
私のお気に入りのバッグの中には…
財布、携帯電話、化粧ポーチ、煙草ケース、携帯灰皿、読み掛けの小説、飲み掛けの緑茶。
あとは 頭痛薬。
大した物は 入ってないんだけどなぁ。
「口で説明するより、見せる方がいいですよね。申し訳ないのですが、縄を解いて貰えますか?
…この状況で、逃げられると思ってませんから。」
「それもそうだな。
おい、斎藤。そいつの縄、解いてやれ。」
土方さんに言われ、斎藤さんと思わしき人物が 縄を解いてくれた。
「ありがとうございます。」
「いや、副長の命だからな。」
斎藤さん…いい声してますね。
顔は、よく分からなかったけど…
「逃げようとすれば、斬る。」
去り際、私にしか聞こえない小さな囁きには 驚きましたが…
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