第1章

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さて、何を実演しようかな? 喉が渇いたから 緑茶飲みたいけど、意味なさそうだし。 やっぱり、コレかな。 私は バッグの中から煙草ケースと携帯灰皿を出した。 ケースを開け、いつもの様に 煙草をくわえ、ライターで火を点け一服する。 「何だ?」 「今、一瞬で火が点いたぞ。」 「ほぅ、面白いですね。」 ギャラリーの皆様は それぞれの反応。 意外と好奇心旺盛だな。 只一人、土方さんだけは 警戒心剥き出しで睨み付けている。 「……それは、何だ?」 さっきより、低い声で尋ねられた。 「煙草です。こちらでは 煙管を使うんでしょうね。何でしたら、吸ってみます?」 この時の私は、何と態度の大きな事か… 煙草を吸いながら尋問されているんだから。 これだけで 殺されても文句言えなかっただろう… 「いや、いらねぇ。俺が言ってるのは、その道具の事だ。」 そっちですか。 「ライターです。簡単に火を点ける便利品ですよ。」 「何で、お前がそんな物を持ってる?」 「私が150年先の人間だからです。」 正直、面倒臭くなった。 今まで当たり前に使っていた物を、今更 細かく説明する事が出来ない、と思ってしまった。 「はぁぁぁぁああーーーーー!!!?」 部屋中から驚嘆の声。 皆さん、息がピッタリ合ってますね…
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