第1章

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ハァ…、と。 深く大きな溜め息が吐かれれば、 「近藤さん……あんた、甘いよ。」 ガックリ肩を落とす人、若干一名。 土方さんは 普段から、近藤さんの人の良さに困ってるみたいだ。 けど、まぁ… 私は……ソコに付け入る気満々ですけど。 「ねぇ、君は何で刀を握ったの?」 不意に聞こえた声の方を向くと、新選組其の二こと沖田総司が ニコニコしながら私を見ていた。 「お恥ずかしながら…あの時は、夢を見ていると思っていたのです。 まさか、150年もの時を渡ってるなんて考えるより、夢の中だと思う方が、自分を納得させる事が出来たのです。」 「夢か…そうだよねぇ。でも、刀を見た事なかったの?」 「刀ですか?真剣は、ありませんね。 私のいた時代では、【銃刀法違反】と言って、許可ない者が刀を持っていたら罪を問われるんですよ。」 「はぁぁぁぁああーーーーー???」 やっぱり驚きますよね。刀持ってたら捕まるなんて… 「あははは……。土方さん、この子、馬鹿ですよ。こんな馬鹿な子、間者とは思えませんよ。」 沖田さん…そのフォロー微妙です。首の皮は繋がりそうですけど… 「はぁーっ。総司もか……。まぁ、お前の勘は外れないからな。分かったよ。こいつは、只の馬鹿って事だ。」 「疑いが晴れて、何よりです…」 只の馬鹿…って。 良かったのか? 頭の残念な子と変わらない気がするのは私だけか?
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