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ハァ…、と。
深く大きな溜め息が吐かれれば、
「近藤さん……あんた、甘いよ。」
ガックリ肩を落とす人、若干一名。
土方さんは 普段から、近藤さんの人の良さに困ってるみたいだ。
けど、まぁ…
私は……ソコに付け入る気満々ですけど。
「ねぇ、君は何で刀を握ったの?」
不意に聞こえた声の方を向くと、新選組其の二こと沖田総司が ニコニコしながら私を見ていた。
「お恥ずかしながら…あの時は、夢を見ていると思っていたのです。
まさか、150年もの時を渡ってるなんて考えるより、夢の中だと思う方が、自分を納得させる事が出来たのです。」
「夢か…そうだよねぇ。でも、刀を見た事なかったの?」
「刀ですか?真剣は、ありませんね。
私のいた時代では、【銃刀法違反】と言って、許可ない者が刀を持っていたら罪を問われるんですよ。」
「はぁぁぁぁああーーーーー???」
やっぱり驚きますよね。刀持ってたら捕まるなんて…
「あははは……。土方さん、この子、馬鹿ですよ。こんな馬鹿な子、間者とは思えませんよ。」
沖田さん…そのフォロー微妙です。首の皮は繋がりそうですけど…
「はぁーっ。総司もか……。まぁ、お前の勘は外れないからな。分かったよ。こいつは、只の馬鹿って事だ。」
「疑いが晴れて、何よりです…」
只の馬鹿…って。
良かったのか?
頭の残念な子と変わらない気がするのは私だけか?
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