第1章

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「ぷぷっ…。 駄目だ。君、面白すぎだよ。土方さんは、行く宛がないなら此処にいるか?って言いたいんよ。」 笑うのを堪えながら、沖田さんが言った。 「私が此処に?私なんか置いても、何の役にも立ちませんよ。両手も使えませんし……。」 「それは、君が馬鹿だから怪我したんでしょ。」 そんなに馬鹿馬鹿言わなくても……泣きたくなります。泣きませんけどね。 「あぁー、面倒臭ぇな。お前、雑用くらい出来るだろ?」 土方さん、何故キレ気味なんですか? 「まぁ、家事手伝い程度には……。」 「なら、問題ない。行く宛ないなら、此処に置いてやる。お前みたいな馬鹿、外に出したら三秒で斬られそうだ。」 三秒って……瞬殺じゃないですか。 気付けば、周りは大爆笑。皆さん、やっぱり三秒で笑ってるんですか? まぁ、行く宛がない私には、願ってもない提案なのは間違いない。 「三秒かは分かりませんが、お言葉に甘えて、御厄介になります。これから、宜しくお願い致します。」 「おぅ、宜しくな。 ところで、お前の名前、何ていうんだ?」 「橘 艶香です。」 私は新選組のお世話になる事になった。私の様な役立たずが、厄介になっていいものかとも思うが……。
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