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新選組其の二も、なかなかの男前だ。
茶色っぽい髪を高い位置で束ね、優しげな雰囲気の中性的美男子。
しかも、夢見る乙女顔負けのキラキラな瞳の持ち主だ。
「おぅ、総司。だから連れて来たんだろうが。」
…ん?
何か聞き覚えのある名前が…
【新選組其の一=土方歳三】
【新選組其の二=沖田総司】
そうだったのか。
歴史的有名人が、こんなに近くにいるとは、感慨深い。
どうせ殺されるなら、どちらかにお願いしよう、と馬鹿な事を考えていると、床に座らされた。
床に放り投げられると思っていたのに……ちょっと意外。
私を取り囲む新選組の面々の視線が痛い…
「お前、何者なんだ?」
突然、新選組其の一もとい土方さんが 口火を切った。
「何者と言われましても……私にも分かりません。」
「はぁー?それで、惚けてるつもりか?」
「惚けてるつもりはありません。
私自身、現状を呑み込めないでいる為、分からないと申しているのです。」
私と土方さんのやり取りを、固唾を呑んで見守る面々も、困惑の色を隠せないでいた。
当たり前の話だ。
……かと言って、150年先の世界からタイムスリップして来たとも言えないし。
さて、どうしたものか…
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