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菜奈香ちゃんから稜を取り戻して数日が経った。
稜はあれから精神科に通っている。
そしてニコルさんも稜を診てくれている。
まぁ、稜は嫌がってるけど……。
今日はニコルさんの日だ。
家に稜の悲鳴が響きわたる。
何をされてるのかは部屋が違うので分からないけど、確かフランとサリーが『ニコルは変態だから気をつけて』って言ってたような……。
あたしと一緒にニコルさんを待ってる秀くんは出した紅茶を飲んで涼しい顔。
「秀くん」
「何?」
「稜は何されてるの?」
「人には言えない過激プレイ」
「え!?」
それって稜がニコルさんに襲われてるって事!?
待って待って、状況が飲み込めない!!
「これだけ叫べたら後遺症はないと思うよ」
「え?」
「彼氏が心配?」
「そりゃ……」
「ふーん」
他人事のように秀くんは携帯を触り出した。
突然会話がなくなる。
あたしは気になってた事を聞いてみる事にした。
「ねぇ、秀くん」
「何?」
「どうして秀くんは、ニコルさんの下で研究者として働こうと思ったの?」
「それは、ニコルさんが変態なのにどうしてって聞いてる?」
「えっと……」
「そりゃ不思議だよな。あの変態の下で働いてんだから」
「いや、別に変態とは……」
「俺の彼女を助けてくれたから」
「え?」
「だから俺はニコルさんの下で働こうって思った」
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