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「痛いっ!」
「葵の事は俺がちゃんと面倒みるって言ってるだろ。だからお前ら帰れ」
啓くんがそう言うとSPさんは頭を下げてチラチラこちらを気にしながら歩いて行った。
「啓ー!!ありがとう!!」
「葵うるさい」
「さっきから啓冷たくない!?」
あたしに抱きつく葵さん。
あたしは苦笑いした。
「やっぱり俺、なんで啓と友達なんだろうって思う」
稜がそう言うと舜くんが笑った。
そんな舜くんの頭を叩く稜と啓くん。
その光景に笑っていると────
「見つけた!!」
‐ガバッ‐
「っ!?」
いきなり芽依に抱き着いた人物。
芽依はそのまま座り込んだ。
その後ろ姿に見覚えがある。
「広末くん……?」
そう声をかけると広末くんは振り向いてあたしに笑顔を向けた。
「ちょっ!!離れて!!」
芽依が少し怒りながらそう言ってるのに広末くんはそのまま抱き着いたまま。
舜くんは固まっていた。
「ダメだよ広末師匠!!」
師匠!?
葵さんを見ると葵さんは広末くんを芽依から引き離そうとしていた。
「めーたんにはもう彼氏いるんだから!!その根性は尊敬するけど抱き着くのはダメ!!」
「えー?でも彼氏持ちでもいい」
何言ってるの広末くん!?
声にならない叫び声をあげていると稜が耳打ちしてきた。
「誰?」
「同じ学部の男の子なんだけど……。芽依の事気に入っちゃったみたい……」
どうしようか悩んでいると加西くんが歩いて来た。
「おい、バカ」
「翔也様ー!!」
加西くんに手を振る広末くん。
加西くんはため息をついた。
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