気弱な女の子

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「はぁ……」 ため息をつきながら洗濯物を干す。 昨日、芽依と舜くんどうなったんだろう。 芽依が悪いって言えないもんな。 舜くんからしたら複雑だろうし……。 もう一度ため息をつくと後ろから抱き締められた。 「どうした?」 「稜……」 「舜と山崎の事?」 頷くと稜はあたしの頭を撫でた。 「唯」 「何?」 「舜と山崎は心配だけど、大丈夫」 「え?」 「伊達に修羅場乗り越えてねーよ」 稜が笑いかけてくれる。 不思議だな。 稜にそう言われたら本当に大丈夫な気がする。 あたしも稜に笑顔を返した。 「ありがとう」 「おう。俺も舜も山崎の事、大学では助けれないから唯と三浦に任せる事になるけど……」 「大丈夫だよ。あたし、芽依も舜くんも大好きだもん。二人にはいつも幸せでいてほしいから」 でも、広末くんの事も嫌いではないんだよな……。 広末くんがどうして芽依を好きになったのかは分からない。 加西くんのあの目も……。 不思議な二人だな……。 そう思いながら残りの洗濯物を稜と一緒に干した。 学校に着くと広末くんが笑顔で待ち構えていた。 「広末くん……」 「おはよう!吉岡さん!!山崎さんは?」 「お、おはよう……。芽依は……」 なんて言おうか悩んでいると芽依がやって来た。 芽依ー!! 今はダメー!! 案の定広末くんは目を輝かせて芽依の所へ走って行く。 「山崎さーん!!」 広末くんに反応もしない芽依。 なんか、元気ない? .
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