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警報器が家中に鳴り響く。
たくさん出てくる人。
それを啓くんと舜くんが相手をしてくれた。
二人に促されて走るあたし達。
そして今度は大量の犬。
今にも噛み付かれそうだ。
どうしよう……。
そう思った瞬間。
「ユイユイを怖がらせるなんて!!許せない犬どもめ!!」
「唯さん!!走って下さい!!」
「杏里ちゃん!?コウくん!!」
二人が犬を威嚇する。
その隙にあたし達は再び走り出した。
みんなが、稜の為に頑張ってくれている。
芽依も、葵さんも、フランも、サリーも、翔也くんも、あたしに「走れ」って言って助けてくれた。
あたしは……。
ニコルさんに言われていた一番奥の部屋。
その扉を開けると、放心状態の稜と驚く菜奈香ちゃんがいた。
「どうしてここが……!!」
「ニコルさんが、教えてくれた……」
「ニコルが!?」
「菜奈香ちゃん。稜を返して」
そう言うと悔しそうに顔を歪める菜奈香ちゃん。
それから稜に抱き着いた。
「嫌!!稜はあたしのなんだから!!」
「それは違うよ、菜奈香」
後ろで聞こえた声。
振り向けばニコルさんが立っていた。
「ニコル!!」
「リョウくんは菜奈香のじゃない。ユイちゃんのだよ」
「そんなことない!!」
「あるでしょ?だって菜奈香はリョウくんの心は奪えてない」
目を見開く菜奈香ちゃん。
それからあたしを睨みつけた。
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