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秀くんの彼女を助けた?
ニコルさんが?
どういう事だろう。
ていうか、これ以上踏み込んでもいいんだろうか。
なんか、深い話だったら……。
そう考えていると秀くんがため息をついた。
「知りたいなら知りたいって言えば?」
「え!?だって……」
「別にいいよ。話しても。そんな深刻な話じゃないし」
秀くんは携帯で画像を見せてくれた。
そこには可愛らしく笑う女の子が写っていた。
病院らしい所で秀くんと写ってる。
「この人、彼女?」
「そう。実は親に無理矢理薬物投与されててさ」
「え!?」
「今はもう大丈夫なんだけど、俺と付き合い始めてちょっとした時に急に彼女の様子がおかしくなって。聞き出そうとしても『ごめんね』としか言わないし。そんで彼女の家に押し掛けたらちょうど彼女の親が泣いてる彼女を押さえつけて薬物投与してた真っ最中」
「………………っ」
「離婚したばっかりだったらしくてさ。彼氏が出来た娘が憎かったんだろうね」
「そんな理由で……」
「警察に事情話して彼女の親は捕まった。それで今は俺と一緒に住んでるんだけど、最初はやっぱり薬物がきれると叫び出したりおかしくなってた。病院に行っても『ゆっくり治すしかない』って言われて。精神的に病んでた彼女は自殺しようとした」
「自殺!?」
「ああ、それは俺が止めたけど。でも俺もどうしたらいいのか分からなくてさ。そんな時出会ったのがニコルさん」
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