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そして今あたしと稜は芽依と舜くんを校門で待っている。
すると二人が遠くから歩いてくるのが目に入った。
「芽依!!」
「おはよう、唯。ごめんね、有沢くん。遅くなって」
「いや、山崎が悪いわけじゃないだろ?どうせ舜が朝からグダグダしてたんだろ」
「酷いぞ!!稜!!」
「有沢くんって凄いね。本当に舜をよく分かってる」
「芽依!?俺、そんなにグダグダしてないよ!?」
やっぱり二人が来ると賑やかだな。
あたしはクスッと笑った。
「あーあ。なんでフランとサリーのお父さんは俺と芽依を別々の学部にしたのかな」
「そうだな。なんで俺は唯じゃなくてお前なんかと一緒なんだろうな」
「え?ちょっ、稜?その言い方なんか傷付く」
悲しそうな顔の舜くん。
あたしと芽依は同じ学部だけど、稜と舜くんは別の学部に進学する事になっている。
どうしてそうしたのかは分からない。
稜と離れるのは寂しいけど、家に帰れば一緒だし……。
あたしは稜の手をキュッと握った。
稜はあたしをちょっと見てから優しく笑った。
「でも舜。お前も山崎と同棲してんだろ?」
そう。
実は舜くんと芽依も同棲を始めたのだ。
芽依の顔が赤くなる。
「舜。お前山崎に無理させんなよ?」
「無理?」
「お前は昔から盛んだから」
そう言うと芽依が叫び出した。
「うわあぁぁあぁぁ!!有沢くん!?そろそろ中に行きませんか!?」
芽依があたしの手を掴んで走り出す。
そんな芽依が少し可愛く思えた。
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