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「め、芽依」
「何?」
「その態度は失礼じゃ……」
「どうして?あたし、こう言うタイプ好きじゃない」
「でもなんか舜くんに似てるような……」
「舜は別」
そう言い放つ芽依。
どうしてこんな時に女王様になるの……。
「ごめんなさい。この子ちょっと人見知りだから……」
「やっば……」
「え?」
広末くんを見ると目を輝かせて芽依を見ていた。
あれ?
首を傾げていると加西くんがため息をついた。
「ほっといていいよ」
「え?」
「こいつ馬鹿だから」
まっすぐ前を見ながら頬杖をついてそう言う加西くん。
あたしはおずおずと加西くんに口を開いた。
「加西くん……?」
「何?」
「大学、来たくなかったの……?」
そう聞くと加西くんの目があたしの目と合った。
じーっと見つめられるあたし。
加西くんに見つめられると緊張する。
凄く綺麗なんだもん。
目を逸らせずにあたしも見つめ返していると加西くんが前を向いた。
「別に。そういうんじゃない」
「そっか……」
話を終わらせようとするとそれが意外だったのか加西くんがまたあたしを見た。
「気にならないの?」
「え?そりゃ、気になるけど……。会ったばかりの奴にそんな事話せないんじゃないのかなって……」
そう言うと加西くんが目を細めた。
その顔が妙に優しくて少しだけドキドキしてしまった。
「アンタ、変だよね」
「え?」
「でも、凄い楽」
「えっと……?」
「アンタの側なら、退屈しなさそう」
ようやく笑ってくれた加西くん。
その笑顔はやっぱり綺麗だった。
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