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ロッカーに脱いだ白衣を仕舞う祐希を、ぼんやりと眺めていたら。
背後から大きな音が響いた。
それはもう、心臓が口から飛び出るってほどびっくりした。
「なんだ!?」
祐希の驚いた声と同時に振り返り、目が点。
バァーンと盛大に開け放たれたドアから入ってきたのは、くそ寒い時期に汗をかいている男。
「笹木っ!ドアは静かに開けろ。それに生徒は入室禁止だっ」
「ちょっと顔貸せ、間宮」
祐希の言葉を遮って、ずかずかと歩み寄ってきて。
胸倉掴まれるんじゃないかって距離でにらまれた。
一応、俺も教師なんだがな。
絶対そうは思ってないだろう?
「間宮先生は俺と今から出るんだよ。何の用だ?」
「どこ行くんだよ」
「藤沼の家だ。無断欠席だしな」
この会話は祐希と笹木の間で交わされているのだが、笹木の視線は俺をにらみつけたままだ。
「家? ……んなとこに居ねぇよ」
は? いない?
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