9.決断のとき

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「じゃあ、どこに居るんだ!?」 両手で笹木の胸倉を掴んで、詰め寄る。 家じゃないとしたらいったいどこに? つうか、なんでコイツが知ってる? 「ナオ落ち着けって。生徒、生徒」 祐希に腕を掴まれてしぶしぶ手を離す。 教師なんてくそくらえ。 いつでも辞表出してやる。 「来いよ」 ニッと笑って笹木が背を向ける。 一瞬遅れて、後を追った。 「おい、笹木! 車出すぞ」 「あ?いらねぇよ!いいから走れ」 後ろから祐希の声と足音がして、前を行く笹木が振り向きざまに怒鳴る。 廊下は走らない、なんて教育的なことは全て無視して、階段を駆け下りる。 校庭を横切って、大道路を走って、路地を抜けて。 前を行く笹木はかなり早い。 陸上部とか言わねぇよな。 全力疾走なんて何年ぶりだ?
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