9.決断のとき

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ため息を一つ吐いて、眠る藤沼のほうを見た。 布団をかけていてもわかる。 子供のように小さく丸まって眠っているのが。 まるで自分で自分を抱きかかえているような。 泣いて……ねぇよな? そっと膝をついて覗き込む。 大丈夫、だろう。 泣くわけねぇか。 こいつの泣き顔なんて想像つかない。 いつだって笑っていたんだから。 無理やりにでも笑っていたのは、俺のせいか。 西園寺に聞いた話を思い出し、ため息が漏れた。 ベッドを背に床に座り込む。 中学生のときに会っていたなんて、んなの覚えてない。 フリースクールのボランティアって言われても、ピンとこなかった。 そりゃそうだ。 あれは俺にとってはアルバイトだったんだ。
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