9.決断のとき

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大学1年の冬。 祐希に頼まれて行ったアルバイト。 教育学部だった祐希が、先輩に頼まれたのか押し付けられたのか、とにかくクリスマス会に参加しなくちゃいけなくなって。 人手が足りないからと、真人と俺が借り出された。 同じ大学のやつらは、みんな似たようなのに参加しているとかで。 ん? あれは単位の一つだったのか? まぁ、いい。 そんなわけでバイト代は祐希が出してくれた。 ボランティアの大学生なんて紹介されたが、実際はそんなところだ。 クリスマスだからということで、祐希が用意した着ぐるみを着させられた。 サンタとかならまだ許せたが、あったのは、ツリーとトナカイと雪だるま。 あみだくじだか、じゃんけんだかで、俺は雪だるまに…… あれは思い出したくない。 末代までの恥だ。 祐希のツリーや真人のトナカイみたいに、いっそ顔が隠れてしまえばよかったのに。 ナゼだか雪だるまだけ、はっきりと顔が出るつくり。 そもそもクリスマスに雪だるまは関係するのか?
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