9.決断のとき

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机の上に置かれた写真立て。 立ち上がって近づいて、手にとって固まった。 な、なぜ、これが…… フッと意識が遠のきそうだった。 俺の消し去りたい過去が! 末代までの恥が! こんなところに…… そういえばあのクリスマス会、集合写真なんか撮ってたよな。 後で祐希にもらったけど、速攻その場で破り棄ててやった。 他の人は持っているかもしれないが、自分の目に触れることがなければそれでいい。 記憶から抹消してしまえ。 そう思っていたのに。 また見る羽目になるとは、何の因果だ。 くそっ、藤沼め。 悪態つきながら写真を眺める。 あいつはどこだ? さすがに写真を見たら思い出すだろう。 ほんの四年前の話だしな。 藤沼、藤沼っと………… ……いない。 あれ?見落としたか? 端からきっちり、一人ずつ見ていく。 絶対にあり得ないけれど、女の子まで確認した。 それはもう、指差し確認だ。 なのに、いねぇ。
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