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家庭環境が複雑でね、と苦笑いで説明された、窓際のガキ。
フリースクールの大人たちも、手を焼いているというか、扱いかねているというか。
とにかく居ても居ないような感じだった。
静かに外を眺めるその後ろ姿が、全てを拒絶しているようで気になって。
俺にしては珍しく、自分から声をかけたんだ。
まぁ、軽く無視されたけどな。
でも一瞬、俺を見たあの顔は忘れられない。
なんの感情もこもっていない、能面みたいな顔。
そして何も映し出さない瞳。
ぞくりとした。
こいつ死ぬんじゃねぇかって。
理由もなくそう思った。
だからと言って俺に何ができるわけじゃないんだけど、とにかく、他のやつらみたいに見ないですませることはしないでおこうと。
素人なりにがんばってみた。
結局は無駄だったんだけど。
でもまぁ、こうやって生きているなら、まるっきり無駄ではなかったのかもしれない。
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