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俺の斜め前にペタンと座り、両手をついたまま俺を見る。
何か迷っているのか、視線が揺れてはもどってきて。
じっと潤んだ瞳で見つめられた。
なんていうか……犬だな、これは。
捨て犬に見られているみたいだ。
「どうした?」
頭をぐりぐりなでてやれば、一瞬驚いたように目を見開いて。
それからすうっと細められる。
気持ちよさそうな顔をするもんだから、なかなか手が離せなかった。
「センセー、俺……」
うん?
「俺、センセーのそばに居てもいいんだよね?」
そうだな。
「それって……、その、俺、俺と…………つき、あって、くれる……の?」
おそるおそる問われた言葉。
頭を撫でていた手がぴたりと止まった。
あぁ、そうだった。
言ってなかったな。
「俺は教師だし、おまえは生徒だ。公私混同はできない。
今日は事情が事情だから朝まで居るが、こういうのも無理だからな」
おまえが生徒でいるうちは。
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