10.終わりよければ全て良し?

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週末、狭い部屋に男が三人。 何をしているかというと、俺の引越しだ。 理事長の強引なペースに負けて、藤沼と一緒に暮らすことになった。 うん、いいんだ。 学校も近いし。 家賃もいらねぇし。 ただ…… 「ナオが同棲かぁ」 だから違うって! 「……同居だ。保護者代わりだよ」 「建前はな。そっかそっか、藤沼と同棲か」 こいつら……絞めていいか? いいよな。 「さっさと手ぇ動かせ! おまえらが手伝うっつったんだろ」 2月下旬。 時期も時期だけに、引越し業者もなかなか空いていない。 どうすっかなぁと思っていたら、手伝ってやるよというありがたい申し出があった。 持つべきものは友達だ!と思った俺がバカだった。 手より口ばかり動いていて。 おまえらは話し好きの女子高生か! 井戸端会議中の主婦か! 「しゃべってねぇで、さっさとベッド分解しろよ。コタツもな」 二人の尻を叩きつつ、それでも男三人けっこうあっさり片付いた。 祐希が借りてきてくれた軽トラに荷物を積んで出発。 ……5年住んだアパートだしな。 ちょっとは名残惜しいかも。
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